発泡スチロールについているこの跡って何ですか?
ベント(スリット)
お客様からこの跡なんですか?
『スリップ止めですか』、と言う質問がございます。
発泡スチロール成形ではフレーム(釜)内に蒸気を通し、蒸気の熱を金型から発泡ビーズに伝えて成形をおこないます。
一般的な金型の厚みは8mmとなっており、右図をご覧頂くと蒸気熱は金型外面には伝導しておりますが、この状態ですと金型の外面に沿った発泡スチロールビーズ(製品で言えば表面)しか融着できません。金型内部(ビーズ同士)に熱が伝わっていないため、厚みのある製品や複雑な形状製品は内部融着不良を起こす場合があります。
これにより、金型製作時にベント(スリット)を打ち込みます。
金型製作時に一定間隔で金型に穴を開け上記写真(ベント)を 打ち込みます。
右図の通りベントにより蒸気が発泡スチロールビーズに伝わり ビーズを融着させます。(融着:ビーズとビーズをつけること) その他に材料充填時のエアー抜きや製品を離型する際の離型 時のエアーなどにも使われます。このベントが無いと上記でも説 明しました通り発泡スチロールビーズに熱(蒸気)が伝わらない 為、融着不良となり、充填時はフレーム内にてエアー溜まり(エ アー干渉)をおこし未充填となってしまう恐れがあります。
また、離型時に製品が、金型から抜けなくなり特にオス型はエアー のみで離型する為、離型不良にもなります。